ジャケ買いの現場

The SMITHS

ザ・スミス ザ・ワールド・ウォント・リッスン

The World Won't Listen 1987

ザ・スミスを最初に聴いた時、少し拍子抜けした記憶がある。ロック史を塗り替えた革新的なバンド、80年代UKシーンでもっとも重要なバンドと絶賛されていたので、サウンドそのものが凄く革新的だと勝手に思い込んでいたのだ。しかし、いざ聴いてみると、意外にも正当派のギター・バンド。曲も演奏も確かに良いけど、革新的と言われる理由がピンとこなくて、わりと「普通」だな〜と思った。

ザ・スミスの「普通」でないところに気付いたのは、少し経ってからのこと。シングル曲を集めた編集盤『ザ・ワールド・ウォント・リッスン』の1曲目『パニック』は、つい口ずさみたくなるようなポップな曲。その楽しげな曲にのって、ボーカルのモリッシーが「DJを縛り首にしろ」と連呼している。この曲は、チェリノブイリ原発事故の日にラジオでワム!の曲をかけていたDJを非難して作られた曲だと後で知ったが、ポップで弾けたメロディと、「DJを吊せ、ディスコを焼き払え」という辛辣な歌詞とのギャップの面白さに結構ハマってしまった。
そうやってモリッシーの書く詞を読みながら曲を聴いてみると、あら不思議、「普通」だと思っていた曲がまったく違って聞こえる。単純に詞がよい、曲がよいというだけではなく、単純に曲と詞の雰囲気が合っているというのでもない。何というか、言葉と音楽がせめぎ合っているとでもいうか…いや、言葉でザ・スミスの特徴を表現するのは難しいなぁ…。なるほど、革新的と言われながら、核心をついた評論が少なかった訳だ。(ダジャレになってしまった)

ザ・スミスは83年のデビューから87年の解散までに、4枚のスタジオ・アルバムと2枚のコンピ盤、そして17枚ものシングルを発表している。そのジャケットは、ハーフトーンの写真と色数を抑えたシンプルなレイアウトで統一されており、とても美しい。この一連のアートワークのコンセプトもモリッシーによるものらしい。と、最後は無理矢理ジャケットの話題で終了〜。


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